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令和4年度の工事事故等発生状況

作成日:2023年8月31日

 公益財団法人横浜市建築保全公社では、日頃より工事事故の発生防止を目指し、各種研修会・安全パトロールなどを実施しております。

 令和4年度の工事等で、物損その他のトラブル事案が62件発生しました。そのうち、安全管理措置が不適切であった33件を「事故」として注意喚起等の措置を行いました。

 ※公社では、トラブル事案について事故審査委員会の審議を経て、安全管理措置の不適切性を判定し、注意の喚起・警告・契約不適格者認定の措置を決定しています。

 

事故を防ぐには

 施工前の調査の段階から、様々な危険を想定したうえで十分に調査を実施し、施工計画を立てることが非常に重要です。特に昨年度多かった不可視箇所の配管・配線の切断や防水工事による雨漏り等は、想定可能な場合であれば、事前調査を基に施工計画を立て、施設管理者との事前打合せにて対応方法を取り決めておくことで、未然に防ぐことが可能です。

 安全設備を整えることはもちろん、工事に携わる者一人一人が自分に加えて他人の安全を守る高い意識を持たなければなりません。

 経験の浅い作業員の方は、十分な経験を持った指導者の監督・指導のもとで作業を行ってください。

さらに

 事故によっては施設機能を一時的に停止させてしまい、施設管理者や施設利用者に多大なご迷惑をお掛けすることになります。

 事故を起こさない対策はもちろんですが、万が一発生してしまうかもしれない事故を想定して即時復旧対応が出来る体制を整えておくようにしてください。

 保全公社では、事故防止に向け事故情報の発信、研修会の開催などを行ってまいります。

 施工者の皆様におかれましても、安全対策を含めた施工計画を現場の状況に合わせて作成し、作業に携わるすべての関係者に安全作業の徹底をお願いいたします。

 

◆ 令和4年度の工事事故等 33件 (安全管理措置が不適切と認定された案件)

No.

発生日

発生場所

事  故  概  要

1 4月15日 小学校 屋上の防水改修工事において、既存仕様がアスファルト防水+モルタル+タイルの屋上で、その内のタイルのみを撤去した際、アスファルト防水層を損傷して直下階の職員室天井から漏水した。
2 5月19日 保育園

レントゲン調査実施後のコア抜き作業時に、躯体内に埋設されていたガス配管を損傷し、調理室のガス器具、給湯器が使用停止となった。またガスの元栓は閉めてあったが、臭気も拡散した。

3 6月27日 地区センター

1階と地下1階間の階段通路誘導灯の点検を行うため、器具カバーを取外したところ、器具底面のガラスが落下し破損した。

4 7月10日 保育園

1階トイレの土間コンクリート解体作業時、土間下のCD管内の事務所用コンセント配線、電話線、光ケーブル配線を切断してしまい、コンセント、電話、インターネットが使用できなくなった。

5 7月27日 小学校 体育館の屋根改修工事において、GHP室外機上方の足場に養生用ベニヤ板を固定作業中、室外機囲いの外側から手が届かなかったため、張られたままの防護ネットごとGHP室外機に足をかけてしまい、ネットを破損した。
6 7月29日 小学校

3階階段の一重張り天井と軽鉄下地を撤去作業中に、誤ってLGS野縁内の火報信号線を損傷し、職員室の火報盤が点滅した。

7 7月29日 小学校 3階図工室前のショーケース内上部の照明器具を確認後、照明のカバーガラスを持ち上げて取付位置を調整していた際、誤って手を滑らせカバーガラスが落下してしまい、下部のガラス製棚板を全て破損した。
8 7月31日 保育園 0歳児トイレの既設土間解体中、埋設する給湯器系統のガス配管を損傷してしまい、給湯器が使用停止となり、臭気も拡散した。
9 8月1日 小学校

仮設間仕切内にあるガラスケースのコンパネ養生を取り替えるため養生を外したところ、誤って手を滑らせ、ベニヤ板の角がガラスケースにぶつかり、天板ガラスが破損した。

10 8月6日 小学校 資材搬入用の4トントラック車両が誤って正門扉の支柱に接触し、破損した。
11 7月31日 地区センター 脱落している壁タイルの裏側を確認するため入口扉を開けたところ、扉横に設置してあるインターホンのドアホンレンズカバーに接触し、破損した。
12 8月14日 小学校

既存シート防水2スパン分を撤去完了後、仮防水まで実施したが、後日の台風に伴う大雨により、4階理科室、CR、廊下、3階CRから漏水した。

13 8月13日 小学校 トイレ解体作業時において、2階男子トイレの床に置いてあった解体材料を誤って開口部から落下させてしまい、1階男子トイレ天井内の電気配管を損傷した。
14 8月21日 特別支援学校

校舎棟2階のサッシ撤去作業中に、漏電防止装置付アダプターを使用していたが、過電流による遮断機能が無かったため、分電盤内のブレーカーがトリップし、廊下コンセントが使用不可となった。

15 8月18日 小学校

屋上防水工事において、既存防水シートを撤去後に仮防水を施したが、伸縮目地部の防水処理を行っていなかったため、直下にある普通教室3室において漏水が発生し、天井材を汚損した。

16 8月23日 総合庁舎 シャッターの点検作業中、煙感知器発報による防火シャッターの降下で、シャッターの下方にあるコロナ飛沫感染対策用のアクリル板3枚を破損した。
17 8月31日 小学校

屋上手摺をローラーにて塗装作業中、強風が吹いていたため、塗料が飛散し、施工場所の近隣住宅に駐車していた車両3台を汚損した。

18 9月6日 小学校

外壁改修工事において、教室内に仮設で設置した換気扇用の樹脂製網カバーが外れて落下し、換気扇の下方にいた児童に当たった。児童に怪我はなかった。

19 8月4日 小学校

前日夜半から降り続いた雨により、改修工事中の屋上直下階のキッズクラブ、廊下、教室に漏水が発生し、天井ボード15枚を汚損した。

20 9月29日 中学校

天井点検口取付作業において、天井ボードをボードカッター(回し引き)で切断中に、天井内転がし配線(機械警備配線)を切断した。天井開口後の天井内確認作業を行わなかったため、事故の発覚が遅れてしまった。

21 9月30日 小学校

トイレ改修工事において、廊下床を養生していたべニア板の固定用テープが外れ、べニア板が浮き上がった状態の場所で、躓いて倒れかけていた子供を抱きかかえようとした施設職員が躓き転倒した。職員は膝を、子供は肘を打撲した。生徒との動線が絡んでいるにもかかわらず、区画措置がされていなかった。

22 10月7日 文化会館

トップライト廻りシーリング打ち替え作業中、撤去したシーリングの隙間からトップライトの内部に雨が侵入して、玄関エントランス上部庇及び3階ホワイエの外壁サッシから漏水が発生した。

23 10月7日 小学校

耐震工事において、外壁ステンレス水切り取換え工事中、シール施工前の大雨により、廊下、教室等、計6箇所で漏水が発生した。

24 10月25日 中学校 職員室内で空調機の取付け作業中、取付工具を落としてしまい、空調機の下方にある流し台シンクの縁を凹ませた。
25 11月21日 小学校

変電室屋上防水改修中、伸縮目地のシールを撤去して、仮防水を目地底に塗り込んだまま雨天を迎えたため、伸縮目地部分より雨水が侵入し、直下階の印刷室天井から漏水が発生した。

26 12月1日 中学校

足場材荷下ろし作業中、3tユニックのアーム先端が体育館キャットウォークのサッシガラスに当たり、網入りガラス1枚を破損した。

27 12月23日 競技場

受水槽室内の量水器交換取り付け後のエア抜き作業時、ポンプを作動させない計画であったが、これを作動させたため接合フランジ部から水が噴出し、下方にあったポンプ類と制御盤が濡れて故障した。

28 12月23日 総合庁舎

3階バルコニーの防水改修において、既存シート防水を撤去及び仮防水材を施工したが、ドレン廻りのシーリング処理をしていなかったため、後日の降雨により、2階歯科相談室に漏水し、顕微鏡箱等室内の備品類を汚損した。

29 2月5日 中学校 建具を搬入する工事車両が渡り廊下を通過する際、天井に接触し、天井付の蛍光灯を破損した。
30 2月14日 水再生センター

誘導灯交換作業終了後、南側水処理施設電気機械棟3階電灯盤にて誘導灯回路を絶縁抵抗測定後に復電操作を行ったところ、上流側のブレーカーがトリップし停電した。
誘導灯更新時に、劣化した配線に折り曲げ等の力がかかり、被覆に亀裂が生じ地絡したと想定される。

31 3月2日 児童自立支援寮

足場に干渉する既存倉庫を跨ぐように設置していた足場板(長さ4m)を作業員が一人で復旧しようとして、当該倉庫のスレート屋根に足を載せてしまい、屋根を破損した。作業員に怪我はなかった。

32 2月9日 陶芸教室

電灯動力盤内で、絶縁測定後にブレーカーを落とさない活線状態で清掃をしていたところ、テスターの棒が銅バーに触れてしまい破損した。その痕跡を、下検査時に指摘されて事故が発覚した。

33 3月24日 消防出張所

仮設足場の搬出のための積込み作業中、ユニックのブームを建物に接触させてしまい、下がり壁の一部を破損した。

 

◆ 工事事故以外のトラブル事案 29件 

No.

発生日

発生場所

事  故  概  要

1

5月24日 中学校

屋上防水改修工事において、既存防水シート撤去後に仮防水を施した状態であったが、直下階の普通教室の天井から漏水が発生した。

2 7月9日 保育園

仮設洗濯機置場で保育園職員が洗濯機を使用したところ、仮設洗濯機置場用に設置した仮設給水配管のジョイント部分から漏水が発生した。

3 7月21日 小学校 外部足場架設完了後、三連結のメッシュシートを足場最上部に結束し、屋上スラブに取り込んで作業を終了したところ、風に煽られシートがバサバサうるさいと警察へ通報があった。
4 7月27日

文化会館

2階舞台上部(FL+5~6m)に設置の制御盤に漏水し、更に舞台床にも落水した。

5 7月26日 小学校

工事に伴う仮囲いを設置中、控え単管の地中打込み作業をしたところ、埋設のスプリンクラー配管を損傷させてしまった。後日、施設職員がスプリンクラーを作動した際に、地中から水が漏れて判明した。

6 8月4日 小学校

シャッターの改修工事中、作業員の一人が熱中症で体調不良を訴えた。冷房の効いた部屋で休養させ冷却し、経口補水を飲ませた後、体調が改善したので帰宅させたが、自宅で再び体調が悪くなり救急車で搬送、受診した。

7 8月4日 小学校 石綿除去作業中、当該箇所を通った際に、校舎のピロティ上部のガラスが割れているのに気づいた。
8 8月4日

小学校

外壁足場架設作業に伴う壁つなぎ用アンカー打設時に、誤って外壁側コンセント用埋設配管を断線し、教室のコンセントが使用不可となった。

9 8月23日 小学校

屋上防水工事において、既存防水層撤去後の仮防水施工箇所下部の4階にて漏水が発生した。

10 9月9日 小学校 作業員がウレタン防水の撹拌機に付着した塗膜防水材料をカッターナイフで除去する作業中に、左手人差し指を切創した。二重に手袋をしていたが、切創防止手袋ではなかった。
11 9月12日

複合施設

12条点検実施時において、非常放送アンプの移報停止ボタンを押し忘れた状態で点検作業を実施したため、施設内の一部に火災の第一報が放送された。
12 9月22日 中学校

職員室の作業終了後、机上の養生を外したところ、室内機下に置かれていたパソコンモニターに傷がついていた。

13 9月17日 小学校

1階職員室の天井内配管の吊り支持に伴うアンカー打設作業中に、既存の穴をモルタルで埋めてあった部分が押し上げられ、2階普通教室床のPタイル1枚を破損した。

14 9月20日 地域ケアプラザ エレベーターシャフト内をブロワーで清掃時に煙感知器が発報した。煙感知器は養生テープによる養生を行い、最下階部分から強制排気しながら清掃作業を行っていた。
15 10月9日 保育園

既設給水管試掘調査時のコンクリート破砕作業中に、埋設深さ100~150mmでコンクリート打込みの既設ガス配管(PE管)に傷を付けた。実際にはガス配管の埋設深さが既設図面よりも浅い位置にあった。

16 10月15日 中学校

格技棟西側の現場作業に入った際に、上部排煙窓2段目のガラス1枚が割れていたのを発見した。原因は不明で、第三者による侵入の可能性もあり。

17 11月3日 小学校

技術員室のステンレス流しを取り外す前に、流し下の備品(花瓶)を床上に移動仮置き後、不注意で転倒させ破損した。

18 11月30日 墓地管理事務所

更衣室の天井ボード張替え作業において、セキュリティー防犯センサー用の通線が4本天井を貫通して露出していたため、通線の撤去及び復旧作業を行い、元の状態に戻して作業を終了した。その後、施設管理者が帰宅時に防犯センサーシステムを作動させたが、機能しなかった。

19 12月13日 動物園管理事務所 手直し工事を完了させ後の清掃中に、誤って分電盤のスイッチをOFFとしてしまい、事務作業中のパソコンの表計算ソフトが一時停止してしまった。
20 12月14日 水再生センター 要員宿舎 工事用に借用していたコンセント回路のブレーカーをトリップさせ、宿舎の外灯等を停電させた。
21 12月17日 総合庁舎

1階宿直室台所床スラブの斫り作業中に、コンクリート内の電気配線に接触し、宿直室内の照明を停電させた。

22 12月26日 小学校 視聴覚室の天井解体工事中に、自動火災報知機の配線を切断してしまい、職員室の盤より発報した。
23 12月28日 小学校 視聴覚室の天井解体工事中に、自動火災報知機の配線を切断してしまい、職員室の盤より発報した。
24 1月19日 地区センター 施設機械室の横に、エンジンハイウォッシャーを設置して屋上スラブの高圧洗浄を実施した際、エンジンの排気ガスが機械室内に流入し、機械室内のガス警報機が作動した。
25 2月19日 公園内見学施設

強風により、フェンスバリケードが内側に倒れて破損した。フェンスバリケードの破損のみで、人災及び物損はなかった。

26 2月22日 中学校

渡り廊下天井裏に設置さている電気ボックスを資材搬入車両が渡り廊下内を通過した際、接触してしまい損傷させた。

27 2月23日 こどもログハウス

2階の身を隠すスペースの煙感知器付近で、大工が作業していたため接触したか、或いはノコギリの作業による粉塵発生のどちらか一方で、煙感知器が誤発報した。

28 3月6日 医療施設

配管作業で閉止フランジ(約30kg)を2人で取り付け作業中、上部を持っていた人が声掛けして手を放した際、下部を支えていた人が支えきれずに落下させ、左手中指をフランジと基礎に挟まれて剥離骨折した。(全治2か月)

29 8月10日 保育園

仮設用漏電ブレーカーを設置して、外部照明の系統のコンセントを借用していたが、過電流のためにブレーカーがトリップした。即時にブレーカーが復旧したため、現場代理人は自己判断で、公社監督員への連絡を怠った。